虫歯や歯周病の原因を探ってみた

虫歯と歯周病は、それぞれ原因菌や過程こそ異なるものの、菌の繁殖原因となる要素や最終的に歯が抜け落ちるという点では共通しています。
虫歯の原因菌は歯の表面に張り付いて歯を溶かしていくミュータンス菌であり、歯周病の場合は歯と歯ぐきの間で常駐して周囲の組織を溶かしていくポルフィロモナスジンジバリス菌です。

この二つの菌は嫌気性菌と呼ばれる細菌で、私たち人間の口の中に必ず棲んでいるとされる「口内常在菌」です。
口腔内に限らず、粘膜や臓器の中、皮膚上などにも無数の常在菌が存在しています。
高温多湿の状態になる、皮脂が過剰に分泌されるなど菌類にとって好ましい状況になることで活性化して増殖をはじめ、ニキビや肌荒れなどの皮膚トラブルや臓器内の疾患へと発展していきます。

口内常在菌が好むのは食べ物の残りカスです。
歯の隙間など磨き残しをしやすい部位に残留した食べ物から糖分をとって、歯の表面にネバネバとした粘着質の物質、プラークを形成します。
このプラークの中で虫歯菌は酸を作り出して歯を溶かしていきます。
同様に、プラークの中で歯周病菌も増殖を繰り返し、歯肉と歯の根の間のポケットの中で繁殖しながら病状を進行させます。

そして、食べ物の中でも特に問題視されているのが「糖」です。
人間に限らずあらゆる生物の口腔内には口内常在菌が生息していますが、野生動物は虫歯・歯周病にはなりません。
しかし、犬や猫をペットとして飼うことで歯の疾患が格段に増えます。
この二者の違いは穀類などの「糖質」を摂取するか否かにあります。
野生時代の犬猫は肉食中心でしたが、人間が作り出した多くのペットフードには少量で満腹にできる穀類が含まれています。
これにより、糖質や糖を多く含む食品が口内常在菌を繁殖させ、歯の疾患を生み出していることが分かります。

虫歯や歯周病を予防する方法は、原因の究明と同じ出典先である野生動物に倣うべきです。
前述の肉食の野生動物が虫歯にならない理由は、穀物など糖や糖質をとらない他に、すじ肉など固い肉を引っぱって自然に歯の隙間をブラッシングしている点も挙げられます。
もちろん、人間は器用に道具を使う生き物なので、歯ブラシやフッ素を含む歯磨き粉を有効活用しましょう。

また、食生活の改善方法として糖質制限も有効です。
まずは、糖質が多分に含まれるインスタント食品や麺類といった食品の制限からチャレンジすると良いでしょう。
白米やパンなどの糖質を制限する方法も有効ですが、肉や魚類などタンパク質を過剰に摂取しすぎると毒素を分解する肝臓や消化器官に負荷をかけてしまいます。
体調を崩したり疾患の原因となる可能性がある上に、継続して行うには知識と根気も必要です。
もちろん、実践できる方は挑戦した方が良いですが、同じ糖でも穀類から作られるブドウ糖よりも、白糖など果糖から作られた酸の方が歯のエナメル質を溶かす力がはるかに強力という事実もあります。
コントロールが難しい穀類より、砂糖を多分に含む菓子類の摂取を控えることが先決でしょう。